災害ボランティアセンターとは
災害ボランティアセンアー(災害VC)の構成は下図になります。
このサイトでは災害VC運営支援者の留意事項について、ポイントを絞り纏めてみました。
災害が発生すると、「被害は?」・・・
物理的なもの、心身的なもの、環境、心理的なもの、人的な繋がり、経済的等相互に関連し被災します。
これらの被災地・被災者ニーズが発生し、「支援」として人、物、資金等が必要となり「災害VC」が設置される場合が有ります。
では、災害VCを設置するか、しないか?どのように判断されているのでしょう。
Ⅰ.まずは「先遣隊」を現地に派遣する。
現地入りする前にSNSの確認:Twitterは現地状況の把握、Facebook(FB)は人の動きを把握。
(但しガセネタや極地情報もあるそうです)
- 基礎情報(行政情報)
- 地域特性とキーパーソン(自治会・地元団体等)
- 地域支援者の動き(自治会・消防団・民生児童委員・不足しているリソースや希望する支援等)
- 避難所の状況(人の様子・運営状況・食環境・住環境・在宅避難者等)
- 被害の状況と被災者の生活(家屋被害程度・ライフライン・被害の特徴・産業被害等)
- 外部支援団体の動き(団体名・協働・全体の支援メニュー等)
- 支援拠点の整備(災害VC設置状況・外部支援者の協働体制・独自の活動拠点候補地等)
これらを纏め本部(社会福祉協議会:以下 社協)に速やかに報告し、本部にて設置可否が判断されています。
この「先遣隊」に行く時の備品は・・
例1及び例2は実際に持っていく備品を見せてもらいました。準備は万端に!
また、調査時は何でもかんでも聞けば良いというものではありません。当然配慮が必要です。感じで理解することも必要です。
※尋問になってはいけません。相手にとっては「知らない人が突然来る」訳ですから、当然かまえます。日頃から「顔見知りになっておくことは重要です」
更に、調べた情報を共有する為に報告書を作成しますが、そのポイントは下図です。
社協は、日常的に地域住民と接している。又福祉事業者として、地域の生活課題を把握し、解決する役目を有している為です。
各々の場面における基本的対応方法(考え方)
Ⅱ.問題を解決するための型(フレームワーク)
現場におけるニーズをどのように解決していくか、素早い対応が求められます。
そんな時役立つ型の1つとしてOODA(ウーダ)が有ります。
従来から知られているPDCAは、改善の為に自分の計画から始まりますが、OODAは、相手の観察(現場の状況)から始まり意思決定に繋げます。
すなわち、災害の現場では「過去の災害ではこうした」ではなく、今起こっている現状に対して何が必要か、どうしなければならないかの検討とやってみた状況に応じた新たな施策等ループで行動していくという考え方になります。
この考え方は現場(観察)からの意思決定プロセスとして、あらゆるシーンで活躍可能な考え方と感じます。
Ⅲ.情報発信
- 災害VC設置されたら、速やかに情報発信することが必要です。
(1)トップページ写真は災害VC受付の風景を写し(下から見上げる感じで青空入れる)、現地来たらすぐ見れるものが解り易く好感が持てる。
(2)よくある質問には、
・どのような服装がよいですか?
・ボランティア保険はどうすればよいのですか?
・高速道路は無料になりますか? を必ず入れ込む。
参考:長野県災害ボランティア情報[特設サイト]
(3)ボランティアの仮登録者の見える化を図ると少ない日に応募してくれる人が出てきます。
(4)物資は「必要な人に必要な分だけ」が基本の為、欲しい物の数を写真付きで掲載し、提提供者にはコメント欄に提供数量を記載いただく。提供者と避難者とのやりとりが見える化されると共に、物資の余らせない工夫に繋がる。
(5)避難者が地元の人だけとは限らない為、避難所周辺の手作りマップを作成(地元高校生からのボランティア申し出)してもらい掲載したところ正確な情報であり喜ばれた。
(6)ボランティア登録したが何も仕事がない人に対し、「街頭募金」や引っ越しの手伝い等も行ってもらうことが出来た。
(7)避難者の衣服を洗濯ボランティアで引き受けてもらった。
等々必要なことの情報発信で、協働が図れた。
又、災害VC運営者間ではキントーン(kintone):情報の共有・見える化・案件の管理がメンバー間で可能であり有効ツールとして活用されている。
Ⅳ.潜在ニーズの発掘
1.被災者のニーズ(困り事)について
例1)「お腹がすいてしまって、おにぎりを・・・」との電話があったとすると
⇒食べ物がないなら、おにぎりの炊き出しをする!
(ボランティアによる直接的短期支援)
⇒でも本当にそれだけ?
※視覚に障害が有り、配給情報が得られていない
※体力的に行列に並ぶことが出来ない
※自治会長と折り合いが悪い(頭を下げたくない)
※避難所に行かず自宅に留まっている
※アレルギーや宗教上の理由で、食べられないものがある
※避難所が雑然としていて、配布が出来ていない 等々
例2)「家の中を片付けて欲しい、家財を外に出してほしい」とのニーズで・・
⇒早く片付けて欲しい人・・・見るのも辛い
⇒ゆっくり片付けて欲しい人・・・色々と確認しながら。思い出の品もあるし
そもそも本当の困り事はなんなのでしょう?
『被災された方の視点が重要』になります。
様々な真のニーズが隠れている場合があります。
このような潜在ニーズの発掘に心掛けことが求められています
2.災害VCの機能について
寄せられてくるニーズに対し、適切な解決策を検討する為の相談機能を持っています
相談窓口には自ら支援を要請することが困難な住民に対しての配慮が必要です。
下図は支援体制の各組織です。
又、医療専門チーム団体は下図です。
Ⅴ.災害VCコーディネーターの三原則
「地元主体・被災者中心・協働」
全てにおいて、これらの三原則を徹底し、更に各自で常に意識する5箇条を考えてみました。
1.信頼関係を築こう。
2.地元キーパーソンの話を良く聞き、地元を支える。
3.支援者として自己過信やゴリ押しNG、被災者中心。
4.真のニーズは?五感をフルに働かせて、雰囲気をつかもう。
5.ウーダの活用、困った時は抱え込まず、組織で素早い対応。
このように活動していくに当たっての心構えであり、各人により異なっても三原則が守られれば支援も充実していくものと考えます。
見やすいように画像でも・・
Ⅵ.ボランティアの受け入れ
まず災害ボランティアにおける活動の流れは下図です。
(1)マッチング
オリエンテーション(プライバシーほ保護や寄り添うことの大切さ、活動上の留意事項等)を行った後に、被災者からの依頼内容の説明を聞き、参加したい活動に手を上げ活動先を選択します。
(2)グルーピング
グループを作りリーダーを決め、詳しい依頼内容の説明を受ける。
(3)資材等準備
必要な資材の貸し出しのチェックを受け、必要に応じ作業用車両の貸し出しやボランティアの送迎も行われる。
(4)ボランティア活動
被災者に「寄り添う」という気持ちを大切にしながら、福祉救援活動を行う。
この時重要なのは
⇒作業だけを見るのではなく「人」を見る。
被災者が言えない困り事(潜在ニーズの発掘)だったり、周辺の人の困り事だったりが有るかもしれない⇒作業後、活動報告に取り入れる。
(5)活動報告
リーダーは活動状況と活動継続有無をスタッフに報告する。又、引継ぎ事項があれば報告する。
最後に高速料金無料申請した人は活動済スタンプを貰い本日の作業は終了となります。
又、その他にもいろいろなボランティア活動が行われています。
※尚、自立する為にはボランティアによるハード面だけではなく、ソフト面で困っている事を聞き出す(把握する)ことが重要です。
その為には専門的な知識や技術を持った分野(団体)との連携・協働が不可欠です。
即ち、被災された一人ひとりに「一番近い相談窓口として、しっかり困り事に向き合っていく」ことです。
専門的知識、技術を持つ分野(団体):弁護士会、建設業協会、獣医師士会、NPOなど
Ⅶ.災害ボランティア活動のフェーズ
災害VC立上げから閉鎖までは下図にて確認下さい。
Ⅷ.最後に災害VCと被災者の関係を下図に示します。
即ち、被災された一人ひとりに「一番近い相談窓口として、しっかり困り事に向き合っていく」ことです。
専門的知識、技術を持つ分野(団体):弁護士会、建設業協会、獣医師士会、NPOなど
Ⅶ.災害ボランティア活動のフェーズ
災害VC立上げから閉鎖までは下図にて確認下さい。
Ⅷ.最後に災害VCと被災者の関係を下図に示します。
まだまだ書き足りない面はありますが、自分が忘れない為、皆様の参考として記させていただきました。今後必要に応じ付け加えていきます。
ご指導いただいた、にいがた災害ボランティアネットワーク(NSVN)李理事長、野村防災野村様 他沢山の講師陣の皆様に感謝申し上げます。
災害VCコーデーネータ講習(初級~上級)2019/12~2020/2にて受講
尚、避難所等でニーズの発掘・合意形成に関わる「ファシリテーション」については別ページに掲載していますので、併せてご覧ください。














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