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白新中学校でワクワク防災大作戦ver.2開催

 新潟市中央区で中学生が企画・運営した防災イベントです。

イベント名:ワクワク防災大作戦ver.2

場所:新潟市立白新中学校校舎及び体育館

日時:2025年10月26日(日)10時から15時(12時から13時昼休憩)

スタッフ:1、2年生30名、新潟市消防団8名(ひまわり隊3名含む)、先生方

後援:NPO法人プラツアーツ・TEAMカエルキャラバン

来客者:111名

プログラム:

1.防災工作(ポンチョ作り・紙食器、新聞紙スリッパ作り)

2.AEDコーナー(振り返りクイズ・待ち時間防災クイズ有)

3.水消火器でマト当てゲーム【放射距離選択制(レベル1~3・鬼・god)】

4.段ボールベッド組立&毛布担架作成運搬タイムトライアル

5.防災グッズ展示説明コーナー

6.パーテーション展示コーナー(トイレ、ベッド)

7.防災クイズラリー(校舎内でクイズの所在を探し回答せよ&学校の掲示物確認)

8.新潟地震・中越地震写真パネル展示コーナー

9.消防車展示コーナー

10.キッズ休憩(塗り絵やゲーム有)、一般休憩コーナー

11.キッチンカー


このイベントはイザ!カエルキャラバン(NPO法人プラスアーツ開発)を取入れ、生徒たちが独自に企画~運営まで手掛けた防災イベントで、昨年は日本教育公務員共済会新潟支部、新潟日報社主催の「特色ある教育実践」最優秀賞に輝いた活動でもあります。

今年が2回目となる「ワクワク防災大作戦ver.2」では昨年の反省と改善を取入れ、バージョンアップしていました。要所要所に工夫があり、まさに「楽しく学べる防災訓練」を感じます。


まずは生徒達のイベントに対する意気込みから聞いてみました。

楽しく防災を学べるイベントを意識し、人々が協力できるイベント、地域の人との繋がり、交流し、防災知識を広めたい。その為にも昨年を振り返り、見て、来て良かったと思えるようなイベントにしたい。この取組を他県の方にも伝えたい。


素晴らしい意気込みですね。

そんな中開催されたイベントの各コーナーでの写真です。当方が感じたアイデアも記入しています。

1.防災工作(ポンチョ作り・紙食器、新聞紙スリッパ作り)

サンプル掲示・タブレットでの案内良いですね。

作り方案内板、見やすいデザインです。

出来たポンチョに思い思いに絵画を施します。
アイデア1:マジックはマッキー(油性)だけでなく、プロッキー(早く乾く水性・蛍光色を含む全12色)及び下書き用に鉛筆を配置する等、色のバリエーションや修正のしやすさを向上させています。また、書いた絵が「映える」ようポンチョ自体を白としています。

新聞紙スリッパ製作中
アイデア2:一般的な新聞紙スリッパは大人サイズですが、子供用にサイズを調整した作り方を教えています。
大人が試着しても実用的ですね。

2.AEDコーナー(振り返りクイズ・待ち時間防災クイズ有)
黒板前面を使ったインパクトのある表現

消防団の方から学ぶ地域住民

午後はひまわり隊(女性消防団)の方々より指導

おさらいクイズ用紙
アイデア3:心肺蘇生法やAED使用方法体験の直後、関連するクイズに答えてもらい、より理解を深めることが出来る。クイズ問題(〇×形式):①AEDは出来るかけ早く使う②ASDは心臓を止める機械③AEDは話して指示してくれる④ショックをしたらすぐに離れる⑤AEDはお医者さんしか使えない→全問正解で下記認定書授与

AED認定書
アイデア4:認定書を貰うことにより体験したことが良かったと感じる演出、更にデザインもすばらしい。
AED体験待ち時間対応防災クイズ
アイデア5:昨年実施時はAED体験待ちで多くの人が椅子に座って行列が出来ていました。
今年は待ち時間でも退屈しないよう、カフート(オンラインクイズ事前作成及び回答ソフト)を用い待っている人にタブレットで回答してもらいます。更に防災知識が高まります。
非常に良いアイデアと感じました。

参考:カフートの使い方 (外部サイトが別ウィンドウで開きます)
カフート画面上の問題1

カフート画面上の問題2
問題は10問程度用意されていました。

3.水消火器でマト当てゲーム

消火器射的ゲーム案内

射的距離に応じた体験案内
アイデア6:消火器の操作方法説明は通常スタッフ側から行うが、その操作方法をクイズ形式にして参加者に考えてもらう手法を取り入れ、最後に復習で丁寧に操作方法を振り返り説明していた。

クイズ例

射的位置を表すブルーシートやライン・床
アイデア7:消火器射的位置に応じて、レベル1、2、3、鬼、godを判別すべく体験者にゲーム性を与え、楽しく水消火器を放射していた。

水消火器放水の様子(中段は最初に全てマト当て成功)

4.段ボールベッド組立&毛布担架作成運搬タイムトライアル

段ボールベッドと毛布担架を2組に分け同時実施のタイムトライアル
アイデア8:2組に分ける時人数が足りないチームには、スタッフが入り人数合わせをする等スタッフも楽しめる運営方法としていた。

毛布担架作成前の資機材
アイデア9:カエル人形に変えてペットボトル数本に水を入れ重量を確保、頭をハンドボールに見立てバランスも考え2個使用しけが人を再現、発想が豊かと感じた。

毛布担架を組み立てた様子

もう一方では段ボールベッド作成中

段ボールベッド作成に苦戦中(蛇腹部長くしすぎ)

子供達が熱心に組立中

2組が合流し、無事ゴール

タイム計測にもタブレット大活躍

タイムアタック順位発表、1分12秒とは早い

5.防災グッズ展示説明コーナー

展示コーナーの飾りつけも素敵

説明スタップ待機中

6.パーテーション展示コーナー(トイレ、ベッド)
実際の避難所に設置された感じで展示

パーテーションの展示
アイデア10:装飾もつけ明るいイメージとし、パーテーションをあえてベッドと表示し、寝てもらう体験も取入れていると共に、実際の災害時にはこのような形になうのかとイメージしてもらうことが出来ている。


7.防災クイズラリー(校舎内でクイズの所在を探し回答せよ&学校の掲示物確認)

防災クイズラリー受付
アイデア11:クイズラリー全8問は会場の各所に点在している。それを探すために日頃の学校の取組や方針、父兄にも見て欲しい掲示物等が何気なく目に飛び込むよう配置されているように感じた。

クイズラリー問題2

クイズラリー問題8

日頃の掲示物「まずは自分から話しかける」良いですね。

近隣小学校での防災学習の内容を掲示

ハザードマップの掲示(津波・水害時の注意喚起)

Team 白新の掲示

8.新潟地震・中越地震写真パネル展示コーナー

アイデア12:新潟地震(1964/6/16)【震度5(旧基準):M7.5】から61年、中越地震(2004/10/23)【震度7:M6.8】から21年が経過したが、地域の方々から当時の写真を提供してもらい、風化防止を図っている。

新潟地震の写真集

中越地震の写真集他

9.消防車展示コーナー
消防車の展示及び消防職員待機による説明

10.キッズ休憩(塗り絵やゲーム有)、一般休憩コーナー

キッズ休憩コーナー案内板

キッズが飽きないようゲームの設置

ゲームの他にも、塗り絵数種類準備

その他

アイデア13:時期的にハロウィンが近いため、折り紙等でハロウィングッズやネコ折り紙等を作ったり沢山作成し、要所要所のコーナーで配布していた。子供の興味を引く良いアイデアと感じた。

ハロウィングッズの展示

ネコグッズ等の折り紙

棒を付けたらもっと良くなったと即時に改良

スタッフの生徒達よりイベント終了後の感想を聞きました。

今回の防災イベントを通して、防災の「身近だけど遠い」という自分の考えがより深まりました。工作を通して楽しく学べることや、誰でも気軽に取り組めることを知り、防災は日常の中にあると感じました。一方で、被災地を実際に見た人からのお話や避難所の映像を見て、災害の怖さや現実の厳しさにも気付かされました。

 特に、「防災は一人ではできない」という考えが強く残りました。AEDも担架も、一人では成り立ちません。周りの人と協力してこそ命を守れるのだと実感しました。また、地域の人や消防団の方と関わることで、防災は人と人をつなげるものだとも思いました。

今回の経験を通して、防災とは「命を守るための準備」であると同時に、「みんなでつくり、つながる力」だと思うようになりました。そして、防災は「今」のためではなく、「いつか」のためにあるものです。災害が起きてから調べたのでは遅いし、実際に起きた時にはパニックになってしまいます。だからこそ、今こうして楽しく学びながら備えておくことが大事なのだと強く感じました。

これからも、もしもの時に備えて学び続けたいです


まとめ

先生に話を聞いたところ、生徒は数か月前から企画~打合せ~準備~と放課後活動を行い、本番前日まで頑張っていたとのこと。すごいパワーですね。

要所要所に沢山のアイデアを盛り込み「楽しみながら学べる防災イベント」になったことは間違いありません。主催している生徒達の達成感も相当あったと感じます。

また来年が楽しみです。是非継続していただきたいものです。

そんなイベントに関わらせてもらっている当方も大変満足しております。

有り難うございました。



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