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専門家があまり語らない防災の話

 あなたは防災で大切なものは何だと思いますか?

問いかけ形式で始まった防災講話が下記で開催されました。

題目:自主防災シンポジウム2021in阿賀野

日時:2021年11月21日(日)

場所:阿賀野市水原保険センター

講師:(公社)中越防災安全推進機構 諸橋センター長



さて、防災で大切なものを3つ考えてください。1分間考える・・・

例えば1、災害への備え 2、避難場所や避難所へのルート 3、ハザードマップの把握 等

ではその中で自分がやっているものを〇、やっていないものを×、ちょっとやっているものを△とし記入下さい。

その結果〇がゼロ個や1個だった人がかなり多い現実です。


では何故やらないのでしょう⇒これが防災の壁です。

「めんどうくさい」「考えたくない」と言う原因による解っているけど実行にうつせない壁なんです。
つまり、知識が有ってもやらなければ、本当の災害が起きたら何もならない!
知っているだけでやらないのは何の意味(効果)もない

この防災力を実行にうつせてこそ、本当の防災力向上につながります。


地震の場合



防災についてはやっておくことは山ほど有ります。

地震の備えでの優先度は、地震発生の瞬間時生き延びるための備えであり

運にまかせてはいけないことです。


普段家にいる時、一番いる時間が長いのは⇒寝室
又、阪神淡路大震災や熊本地震、北海道胆振地震いずれも夜に大地震が発生しています。
昭和56年以降建築の家は耐震構造であり地震に耐えられても、家具の転倒、ガラスの飛散、什器の落下等は対策をしない限り、命の危険にさらされます。
更に自分以外の家族寝室は大丈夫か?これらを含めて対策を検討しましょう。
生き延びられなかったら、備蓄や生活用品の備えは意味がありません。
是非とも生き延びる為の対策を最優先に!

次に、上記の備えがあり生き延びたとしても・・・
地震関連死が死者の3/4を占めています。
これらはどのようにすれば死に至ることを防げたのでしょう?

地域の防災
阪神淡路大震災時3万5千人の人が救助されましたが、約2万7千人(約77%)は近隣の人により救助され、その内80%の人は生存できました。
これは救助までの時間が短かったことが生存率アップに繋がったものです。

つまり地域での共助が重要であることがお解りいただけると思います。

各自治会では自主防災組織を決め、救護班は誰と決めているところも在りますが、
地震では名簿(要支援者)に関係なく、動ける人が集まって、全世帯を確認することこそが生存率アップに繋がる手段だと思います。



中越地震では関連死52名は避難所運営で減らせたかもしれません。
熊本地震では関連死219名も同様です。


水害の場合
地球温暖化により降雨量が年々増してきています。
このため豪雨や台風なども増え数十年に一度と言われる災害が毎年のように発生しています。
過去の日本全国での水害発生回数では殆どの所で水害が発生しています。
新潟県でも過去最多の降水量を観測しています。
つまり以前より確実に水害リスクが増加していることとなります。

近年の水害状況です。


2019年10月台風19号では長野で千曲川が決壊しました。
大量の水が信濃川に流れ込み長岡の長生橋では過去に無い水位上昇が確認されました。
更に大河津分水でも越後線陸橋の真下付近まで水位は上昇(7.05m)しました。

これに伴いバックウォーター現象(※1)が発生し、長岡市内一部に冠水が発生しました。
※1:河川や用水路などにおいて、下流側の水位の高低などの変化が上流側の水位に影響を及ぼす現象のこと。「背水」とも呼ばれる。大雨などにより、増水した本流の流れにせき止められる形で支流の水位が急激に上がり、合流地点の上流側で支流の堤防の決壊が引き起こされるケースもあり、その影響が及ぶ範囲は「背水区間」といわれる。

さて、ここで質問です。
この質問で「そのまま家にとどまる」と答えた人が殆どでした。

答えはどちらも正解です。「別な場所に避難する」これも正解。
例えば岡山県真備町2018年7月に起きた水害では、小田川の堤防が決壊するなどして地区の4分の1が浸水。 51人が亡くなりました。水の深さは最大で4.8メートルにもなったそうで2階へ避難してもダメ。別の場所に移動することが最善となるわけです。

避難とはけして避難所に行くことではないはずです。

最近はコロナの影響もあり分散避難が言われています。


水害の恐れがある時は身を守る最善な行動をとる必要があります。

纏め
どんな災害も最優先とすべき事は、「災害の瞬間を生き抜く」ための対策、生き残った後に必要とされる「備え」を姿勢・意欲をもって取り込むことが重要ではないでしょうか。

長文、お読みいただきありがとうございました。


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